組立和室「くみたて」
組立和室「くみたて」
「くみたて」とは -木と技術の日本文化-
世界に誇る日本の建具職人の技術
この技術の未来への継承
北海道大学大学院 工学院 建築史意匠学研究室
〒060-8628 北海道札幌市北区北13条西8丁目 北海道大学 工学部 A棟A2-52室 TEL: 011-706-6248 FAX: 011-706-7123
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日本では、戦後の木材供給不足を補うために、1960 年代に木材輸入が完全自由化となりました。それ以降、現在まで外国産材が普及しています。また世界で日本文化へ注目が集まる中、ライフスタイルの欧米化によって、伝統空間に触れる機会が減少しています。さらに、プレカットなど木造加工技術の工業化によって、建具職人のもつ手仕事による木材加工技術を発揮する場が減少しています。
建具職人はその土地ならではの木のクセや気候風土を熟知しており、培われた技術と経験によって、規格化されたものでは決してつくることのできない、細やかな細工が施されたものをつくることができます。筬欄間や違い棚の筆返しのように、建具職人の手仕事によってつくられるこれらの美しい造作は、日本建築の大きな特色といえます。しかし、このまま衰退が続けば、やがては日本の文化が失われていってしまうのではないでしょうか。
そこで国産木材の利用を活性化させ、世界に誇る日本の建具職人の技術が発揮できる場を創出する方法として、「くみたて」をデザインしました。
「くみたて」のしくみ
−地域材と技術を活かす−
建具職人がつくるどこでも誰でも組み立てられる和室
「くみたて」は、地域材と建具職人の技術を使った、どこでも誰でも手軽に設置できる組立式の和室です。組立て方が簡易であり,基本フレームに、面・天井・縁側といった建具を自由にレイアウトして取り付けることで、自分好みの空間をつくることができます。日本の伝統空間を気軽に体感できます.
「くみたて」により多くの人に日本の伝統空間の魅力を伝えることができ,日本各地で地元の木材の良さと職人の技術を人々が認識することによって,木材の利用を促進し,地域活性につなげます.
「くみたて」のコンセプト
ひらがなの「くみたて」には、3つのキーワードが含まれています。
たくみ
てくみ
みたて
日本の伝統技能「匠」です。
道具や器具を使いません。
「手組み」です.
日向市の伝統的な十五夜祭りに使われる
見立て細工の「見立て」です。